実は、音の想いというのがある。
人の音への想いだけではなく、音にも想いがある。
楽器を弾いていると、その音が、教えてくれることがある。
えっ、という感じで、自分が楽器をどう弾いたらいいのか、メロディーはこう作ればいいのか、などを楽器の音が教えてくれる。
木からできているチェロという楽器。
人の声に近い、とよくいわれる。
おそらくそれは、チェロという楽器を作った人の、人生の願い、人の温かさを伝えようとする想いが、今のわたしたちに伝わってくるということなのだろう。
でも、その制作者の想いをこえて、楽器の音が味合わせてくれる深みというのもあるのだ。
(北條)